「川上の100年史」発刊にあたって.
2019(平成31)年3月
「川上の100年史」編纂委員会.
会長.常盤.欣二.
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鎌倉郡川上村は北から南に向けて東海道線が縦断していたこともあり「お召し列車」を国道1号線に並び日の丸を持って見送ったことを思い出します。.
東海道線の西側の子どもたちは無人踏切を渡って川上小学校に登下校するため、踏切事故に遭い尊い命を失うこともありました。.
昭和40年頃から「陸の孤島」とか「横浜の秘境」などと言われた秋葉・前田・川上・名瀬・品濃町地区の区画整理事業が進められ、多くの先人たちの想いで、関東大震災で幻となった武蔵駅を新たなかたちで誘致しようと幾多の困難を乗り越え、昭和55年10月に念願だった東戸塚駅が開業しました。.
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戦前・戦中に生まれ、旧川上小学校で学び育ったメンバーが、元気なうちに「川上の100年史」として後世に残すことは私たちに課せられた使命ではなかろうかとの話が出され、平戸平和台・平戸・東戸塚・川上・柏尾・舞岡の6つの地区連合町内会の会長が中心になって編纂委員会を結成し、取り組む事になりました。.
川上村当時、村の中心だった柏尾町が数年前「柏尾の100年史」を発刊していることもあり柏尾地区連合町内会の齋藤純一会長に編集委員長をお願いし、2019年4月1日に戸塚区が区制80周年を迎えることに併せ発刊することとしました。.
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しかし、全ての編纂委員が川上地区で育ったわけではないため、各地区の主だった地域を歩き、史跡などを実際に学ぶことから始め、毎月1回の編纂委員会と平成30年2月からは編集委員会も毎月開催し行政や関係機関の協力を頂きながら取り組んできました。.
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地域の古老を始め多くの方々から語り残したいお話しを数多く頂き、また編纂委員の中での個々の考え方に違いもありましたが、メンバー各位の理解と協力により、ようやくここに「川上の100年史」として、発刊する運びとなりました。.
最後になりましたが、書ききれないほどの情報を頂いた多くの地域の先輩諸兄、またご丁寧に指導をいただいた行政や関係機関の皆様に心から感謝申し上げ、「川上の.100年史」を通して、故郷「川上村」の歴史が後世に語り繋がれていかれれば幸いであります。...
「川上の100年史」発刊に寄せて.
2019(平成31)年3月
横浜市戸塚区長.田雑 由紀乃.
「川上の100年史」の完成、誠におめでとうございます。.
4月1日に戸塚区が「区制80周年」を迎える、この記念すべき年に、地域の皆様方が自らの手で編纂された「川上の100年史」が上梓されたことを、本当にうれしく思います。.
昭和14年(1939)に、現在の戸塚区の地域は、栄区・泉区・瀬谷区の地域とともに横浜市に編入されました。この時に、鎌倉郡川上村に中川村秋葉を加えた地域が「川上地区」として一体となった活動が始まりました。もちろん、地域には、この時よりはるかな昔から人々の営みがありました。縄文時代の竪穴住居跡の遺跡や平安時代に創建された神社もあるなど、各時代の人々の暮らしが現在に至るまで、途切れることなく連綿と続いていることに、あらためて感慨を覚えます。.
歴史的にも大きな価値のある資料や、古老が言い伝えている伝承遺産などの地域の貴重な文化財を、次世代に伝え引き継いでいくことは、私たちが行っていかなくてはならない大切な取組です。区としても、戸塚区制80周年のキャッチフレーズ「歴史と未来のまち.とつか」に表されるように、生まれ育った戸塚に思いを寄せ、地域の絆を未来に向かって育む『こころ豊かな戸塚』を地域の方々とご一緒に創ってまいります。.
この100年史は、現在地域にお住いの方々にはもとより、これからの地域の未来を担う若い方々にも、是非ご覧いただきたいと思います。豊かな郷土の成り立ちが生き生きと伝わってきますし、先人の苦労と熱い心意気にも触れることができますので、お読みになった方々の心の中に、より一層の郷土愛をかきたてる原動力となっていくものと思います。このような意味で、「川上の100年史」は、旧川上地区にお住いの皆様のみならず、広く戸塚に関わる方々の共有の財産となるものです。.
編纂委員会が設立されたのは平成29年4月とのことですが、明治25年創立の旧川上小学校で学んだ人たちが元気なうちにこの地区の歴史を振り返り、旧川上地区の記念誌を作りたいという着想から実際の上梓に至るまでには、3年以上の年月を費やしたと伺いました。その間、多くの会議、そしていつにもましてたくさんのコミュニケーションの回数を重ねながら、内容を練り上げていったことが拝察されます。.
編纂に携わられ、戸塚区の郷土史に大きな足跡を残していただいた平戸平和台・平戸・東戸塚・川上・柏尾・舞岡の各地区の方々、また、貴重な資料のご提供やいにしえのお話をお聞かせいただきました多くの方々に、深く敬意と感謝を表し、あわせて、これまでの100年にも勝るこれからのすてきな100年となるよう地域を盛り上げていただくことをお願いして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。